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日々の生活から質感が薄れ、人々の表情には感情が無くなってきたように感じています。
それぞれの営みを静かに眺めていると、盛られた料理ではなく皿の上に乗った情報の塊を無自覚に喰らい、使いこなせもしない多機能を騙（かた）る機器に溺れ、そこに無いものをあたかも有るかのように認知し、自意識過剰に嘯（うそぶ）いてひたすら虚勢を張っているように見えてきます。
その果ては、劣化と熟成の区別すらつかぬままただ虚（むな）しくなってゆくのだろう、とも考えています。

また世界の動きに目を移せば、ほんの少し前まではGlobalismが合唱連呼されていたかと思えば、現在ではMultipolar Systemが囁(ささや)かれています。
ある国では不正選挙があった公然とした事実を無かったように偽装して、本人らしき人物が大統領らしき振る舞いを演じていたり、社会的弱者や各種保護団体を装った集団や協会が正義や人権保護と称した破壊活動を世界各地の至るところで引き起こしている有り様です。
メディアはある者達にとって不都合な真実を様々な理由をつけて一方的に削除したり、真実を情報発信しようとする者達のアカウント凍結をしています。
これら一連の動きは「自由、公正、人権の平等、法治」といった近代社会が掲げてきた理念や思想、社会制度をつくった国々で起こっている現実です。
私にはこのような動きと同期し「資本主義という幻想」も崩壊を始めているように映ります。
我々はあたかも甚(はなは)だしく低レベルで雑につくられたシネマの中に一気に放り込まれ、いいように弄ばれる脆弱で小さな一匹の「虫」を演じさせられているようなものです。

その一方で革新的技術により新しい経済や社会システムの構築が凄まじい勢いで進行しています。
確かに合理性、利便性、収益性を追求した表層的価値の創造やそれらの付加は現実的価値の一つであるのでしょう。
しかし、だからこそ、我々はこういうものの対極に厳然と存在する普遍的に価値ある「もの」や「こと」を、自らの叡智と不断の努力で掘り起こしそれらと真摯に対峙しなくてはなりません。

当社は、自己防衛＝資産防衛を基本的考えとして、価値あるものとは一体何であるのか、価値あることとは果たしてどういうことなのか、を皆様と共に試行錯誤しつつ模索を繰り返しながら其々の解（かい）を導き出した後、各々の本来あるべき姿へそっと返してゆきたく考えています。

代表取締役 浦野 修一